トヨタは1月12日、同日からスタートした東京オートサロンにおいて、TOYOTA GAZOO RacingがプロデュースするGRブランドのコンセプトカー「GRスーパースポーツコンセプト」とそのテスト車両を発表した。
GRスーパースポーツコンセプトは、ハイブリッド技術を搭載したプロトタイプレーシングカー「TS050 HYBRID」からボディーワークやパワーユニットなどの主要コンポーネントを受け継いでいる。TS050 HYBRIDといえばル・マン24時間レースなどで知られるFIA世界耐久選手権(WEC)のトップカテゴリーLMP1クラスに参戦しているレーシングカーであり、世界トップクラスのポテンシャルを持つことを証明済みだ。
心臓部はレースユニットと同じ2,400ccのツインターボV6にモーターを組み合わせたハイブリッドユニットで、システム最高出力1,000馬力を叩き出す。シルエットもプロトタイプレーシングカーのたたずまいで、カラーリングを施してスポンサーステッカーを貼り付ければ、すぐにでもレースへ参戦できそうだ。驚くべきことにトヨタはこのコンセプトカーを“次世代のスーパースポーツカー”として仕上げた。つまり、将来の市販車の方向性を示唆するものなのだ。
実際、世界に目をやればアストンマーティン「ヴァルキリー」、AMG「プロジェクトワン」などプロトタイプと見紛うばかりのスーパースポーツがこのところ次々に発表され、どれも1台3億円以上とレーシングカー顔負けのプライスタグにもかかわらず、発表即完売する状況が続いている。
トヨタ製スーパースポーツの完成にまだ時間がかかることはメーカー自身も認めるところだが、レースで培ったノウハウを市販車に落とし込み、ドライバーに心躍る体験を提供するという意気込みは、今回のGRスーパースポーツコンセプトの発表で十二分に伝わった。近い将来、目の肥えた富裕層向けの市場でトヨタが名だたる欧州ブランドと真っ向勝負する日が訪れるかもしれない。
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