ここ数年、ネット上はもちろんTV番組でも「レトロ自動販売機」の特集を頻繁に目にするようになりました。懐かしい自販機たちは時間を超え、現代人の心を癒す存在へと深化したのかもしれません。以前からCLでもこの話題をたびたび取り上げていますが、“クルマ文化の一部”と呼んでいいでしょう。
今回、筆者はレトロ自販機たちが数多く残るという四国への“クルマ旅”を思いつきました。懐かしさとおいしさと昭和ロマンをもとめ、いざ出発です。
※情報はすべて2017年10月現在のものです
あなたは強烈なノスタルジーを感じるだろうか。消えてゆくドライブインレストラン
【愛媛県四国中央市】大久保自販店 三島地区
製紙関連の工場と倉庫が建ち並ぶ広大な工場地帯の一角に、大久保自販店(三島地区)はありました。
国道11号沿いの「道の駅豊浜」から松山方面へ約8km。ガソリンスタンド手前を右折して約100m先に青い屋根のベンダーコーナーが見えてきます。駐車は、そのとき並んでいるクルマの方向に合わせます。筆者到着時には3台のクルマがいて、熱心に撮影しているかたもいました。
屋根の下には7種類のドリンク自販機が並び、うどん自販機は右端にあるタバコ自販機の隣に佇みます。この日は朝9時の時点で売り切れでした。
うどんは250円。自販機のボタンには「天ぷらうどん」とありますが、現在はきつねうどんのみの販売です。
所在地:四国中央市三島紙屋町6-57
【愛媛県四国中央市】大久保自販店 寒川地区
大久保自販店(三島地区)からは松山方面へ約5km。国道11号から右へ1本入った道を再び松山方面へ。「東予ゴルフセンター」を左に見ながら「大西物流」手前を左折。1本目の角を右折して直進すると、右に大久保自販店(寒川地区)が見えてきます。
「うどんジュース自販機コーナー」の看板が目印。隣に祭られている天八代龍王大神にまずはご挨拶の参拝を。
懐かしいニキシー管のカウント計が時間を刻みます。うどんは三島地区同様、きつねうどん250円のみ。やさしい味わいのだしが、雨で冷えた体にしみわたります。
所在地:四国中央市寒川町4765-64
【徳島県美馬郡つるぎ町】めん処 かねか
徳島県を流れる吉野川に沿って走る国道192号(伊予街道)沿いにあるのが、創業36年のうどん店「めん処かねか」と、軒先にあるうどん自販機です。
「道の駅貞光ゆうゆう館」から徳島方面へ約3km。まずは店の「第2駐車場」が見え、すぐ先に店舗が見えてきます。
こちらで提供されているうどんは天ぷら・きつねともに300円。提供時間は14時頃からで、なくなり次第販売終了。具材は器の底に埋まっているので、よくまぜてからいただきます。手打ち麺のなめらかな舌ざわりと食感、上品なだしの味わいが絶品です。
※自販機のうどんを店内で味わうことはできません
ちなみに店のおすすめは、肉うどん430円(小)。地元産の「阿波牛」を使った肉うどんです。こちらのメニューは、ぜひ店内で味わってみてくださいね。
所在地:美馬郡つるぎ町貞光太田東161
【徳島県阿波市】コインスナック御所24
県道12号沿いにあり、日本最後の1台といわれる「ボンカレー自販機」が稼働する「コインスナック御所24」。
国道192号沿いの「めん処かねか」からは約20km。県道12号へ入り、鳴門方面へクルマを走らせていると道沿い右に建物が見えてきます。
ずらりと並んだベンダーコーナーにはドリンクや菓子はもちろん、ゴム手袋の自販機まであります。天ぷらうどんは200円。そして日本最後といわれるボンカレー自販機は、中辛と辛口ともに300円です。
イートインコーナーはカウンター席を備えます。この日も筆者の前にファミリーが1組訪れ、仲良くうどんを楽しむ姿がありました。
今回は特別に、ボンカレー自販機の内部を見せていただきました。カレーパウチ・ライス・スプーンのセットが、加温されつつ待機しています。手にとったときの温かさがうれしいですね。
所在地:阿波市土成町吉田原田市の一
【徳島県阿南市】横田自販コーナー
県道12号沿いの「コインスナック御所24」からは約58km。室戸方面へ進み、国道55号へ合流して徳島市街を抜け、阿南市街方面へ。
津乃峰町交差点を左折し、長い直進。左に菓子店とスーパーが左手に見えたら分岐はまもなく。書店の看板の向こうのガソリンスタンドのある交差点を左折し、1本目の角を左折すれば、直進すぐ左に「横田自販機コーナー」はあります。
セメントブロックの壁に屋根を渡したシンプルな造り。小さなテーブルが中央に配されています。
壁に沿うようにドリンクやカップ麺の自販機が並びます。ここで注目したのはドリンク自販機。ずっと眺めていたくなる、やさしい木目調のデザインです。
所在地:阿南市橘町豊浜
【高知県高知市】コインスナックプラザ
高知駅から約1km。県道249号(産業道路)沿いに「コインスナックプラザ」はありました。こちらはめずらしいトーストサンドやラーメンの自販機が揃います。
自動ドアをくぐると、さまざまな自販機がずらり。ベンダーコーナーの奥はゲームセンターになっていました。営業時間は6時半頃から翌日0時まで。通りに面した明るいカウンター席で風景を眺めながら、ゆったりと過ごせます。
うどん自販機では、蕎麦がチョイスできます。いずれも価格は250円。しかも天ぷらときつねが両方トッピングされている豪華さ!
そして、西日本でも大変貴重なトーストサンド自販機が稼働中。メニューはハム200円とチーズ230円。筆者はチーズをいただきました。アルミ箔に包まれたトーストサンドは、外はサクサク中はしっとり。チーズも最後までたっぷりで、辛子マヨネーズとの相性抜群。コーヒーとともにいただきます。
さらにラーメン自販機の貴重な1台が。こちらで提供されるラーメンは昔ながらのしょうゆ味270円。今回は特別に調理前の状態を見せていただくことができました。
所在地:高知市比島町3-16-7
昭和ロマンと四国のドライブロードを満喫できました
四国では、ほとんど下道を利用していました。とくに印象深かったのが、阿南市から高知市までは国道195号を約3時間の山越え。あたりは真っ暗でした。土砂降りのなか、民家やコンビニがない山道をひとりで走っていると、さすがに心細さを感じてしまいます。思わず「いま道沿いに自販機の明かりが見えれば、ホッとするだろうな」という気持ちがよぎりました。四国の自販機たちは、こんな風にドライバーやライダーたちを癒してきたのかもしれないなあ…なんて。
ロングドライブのオアシスとして、レトロ自販機はいまよりも多くの場所で稼働していたのでしょう。今回は紹介しませんでしたが、うどん自販機のないベンダーショップを備えたドライブインは、他にもいくつかありました。
とにかく、ノスタルジーとロマンを満喫した楽しいクルマ旅でした。例えば慌ただしい日常に疲れてしまったとき、どこか遠くに行きたいとき、愛車とともにこんなドライブもいいものです。CL読者のみなさまは、おすすめの自販機スポットはありますか?
[ライター・カメラ/野鶴美和]
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