しつこい煽り運転には冷静に対処 ドラレコやステッカーで抑止すべし
昔から「煽り(あおり)行為」というのがあるが、最近は悪質な煽りが目立つようになってきており、実際にニュースとなることも多い。 その例が、皆さんもご存知の東名高速道路上での死亡事故。ムダな煽り行為よって、人生を大きく狂わせる結果にもなりかねない、常識外の運転行為だ。ここまでひどいものはないとしても、後ろにぴったりと付かれたり、追いかけられたりした経験もあるだろう。そのときはかなりの恐怖を感じたのではないだろうか。
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煽られたらどうすればいいか
後ろに付かれたら、まずは相手に道を譲る。それでも一緒に車線変更して付いてくるかもしれない。そのときは平静を装い、マイペースで走っていれば、しばらくすると抜いて行ってしまうこともある。 怒りや煽ってやろうという悪意というのは一瞬のもので、次第に収まってくる性質だという。最近よく聞く、怒りを感じたら5秒我慢すれば消えてくるなどの「怒りのコントロール」と同じだ。
それでもしつこく追いかけ回されることも。同乗者がいる場合は、スマホで録画して記録を残してもらうのも一手だが、相手が逆上する結果にもなりかねない。 そんな場合は、同乗者もしくはハンズフリーを使って、110番通報するのが懸命。ただ、高速道路では最寄りのSAやPAに入って待機し、110番をしていないならばそこからすればいい。その際はドアロックをして、絶対に窓を開けないこと。これは一般道でも同じことで、コンビニなど監視カメラや人の多い駐車場で待機するのが賢明だ。
煽られないようにするための対策
対策として有効なのは、犯行を記録できるドライブレコーダー。 現在は、夜間でもナンバープレートをクッキリと読み取れるものや、全方向を撮影できる360度対応など、ドラレコも大きく進化している。ただし、取り付けられていることが相手に伝わらないことも。 「付いている」という雰囲気だけでも抑止力になるので、ステッカーを貼ってアピールするのもいいだろう。煽り行為に悪意を感じるドライバーにとって、「記録される」ことは当然ながら都合悪いのである。
ステッカーの費用対効果は!?
今回、編集部では「ステッカーだけでどこまで抑止力になるのか」を、貼る前と貼った後でテストしてみた(各試験時間:高速道1時間/一般道1時間)。 結果、特に顕著に現れたのが、高速道路の追い越し車線走行時。走行車線のクルマをパスして、また走行車線に戻るを繰り返したが、車列が長くてなかなか戻りにくいケースでの煽られ行為は5回あった。ところが、ステッカーを貼った後では、車間距離を詰められることはあったものの、煽られたと感じたことは2回。ステッカーの存在が功を奏したのかは不明だが、徐々に車間を空けることも3回確認できた。 テストで使用したストリートの「ドライブレコーダー装着表示ステッカー」は、ダミーとはいえ「あなたの行為は記録されてますよ!!」という抑止力になったことは間違いないだろう。
煽られる要因を作っていないか?
煽り運転という行為は100%悪いとはいえ、その原因を作ってしまっていることもある。 たとえば高速道路の走行車線を後ろも見ずにゆっくりと走っていたり、斜め後方を確認しないで突然車線変更など、間接的な原因があるのも事実。マナーを守ることで、無駄に怒りを買わないというのも防止策のひとつ。 相手に怒りを与えないために、”空気を読む”ことも認識しておこう。
なお、”煽り行為”はれっきとした犯罪。道路交通法の第26条、車間距離の不保持が適用されることが多く、2009年には罰則が強化されている(反則金9000円/2点減点)。 とはいえ、昨年度でも7000件以上が摘発。それが事故に繋がれば、安全運転義務違反や危険運転致死傷罪などに問われる可能性もある。
とにかく、安全運転が基本。危うきには近づかずだ。もし煽られても「いかに冷静に対処できるのか」が大切なのである。
(レポート:近藤曉史)
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