ハンドルの端から端までの回転数を表したもの
ロックトゥロックとは、ステアリングの最大切角を回転数で表したもの。たとえば、ステアリングを右に目いっぱい切ってから、反対の左側に最大限切ることを言う。このロックトゥロックの回転数は、ステアリングギヤ比によって変わってくる。
ノンパワステ時代のクルマも含めてファミリーカーのロックトゥロックは4回転前後が目安。セダンやミニバンで3回転半ぐらいだと比較的クイック。スポーツカーなら3回転以下がスポーティーなハンドリングの目安となる。
ホンダのVGSや、トヨタのVGRS、BMWのアクティブステアリングなど、速度域によってステアリングギヤ比がバリアブルに変化する可変ギアレシオステアリングを採用しているクルマは、低中速時はクイックレシオ高速時はスローレシオになるので、ロックトゥロックの回転数はかなり少ない(ホンダS2000のVGS車は1.4回転。標準車でも2.4回転。BMWの3シリーズなども、低中速域のステアリングのロックトゥロックは2回転以下)。
このロックトゥロックの回転数が小さいということは、ステアリングギヤ比が小さいことを意味し、少しステアリングを切るだけで、フロントタイヤの向きが大きく変わり、クイックでスポーティーなハンドリングになる。
ステアリングギヤ比を小さくすると、スポーツ走行では操作に対するレスポンスがよくなり、いざというときフルカウンターも当てやすくなる。低速域ではステアリングを切る角度が少なくて済み、取り回しもよくなるが、反面、高速ではステアリングが過敏すぎて直進安定性が損なわれ、穏やかで安定感のある車両応答は損なわれてしまう。
そのため、各メーカーは、そのクルマのキャラクターにあったステアリングギヤ比を設定しているというわけだ。また、すべての速度域で最適なギヤ比になるように、上記の可変ギヤレシオステアリングの研究開発を進めているが、ギヤ比が可変するということは、ギヤ比が一定でない=リニアリティが足りないということにもつながる。
通常走行ではメリットがあるが、サーキット走行や雪道などでは最適なカウンターステアなどを当てにくいというデメリットもあり、まだまだ発展途上中の技術といったところ。ただしこの技術は、ステアリングギヤ比のあり方のひとつの理想ではあるので、今後の発展に期待したいところだ。(パワーステアリングやABSだって、実用化されたばかりのころは、スポーツ走行には不向きだ、不要だ、と言われ続けたが、いまでは大きな武器になっているのだから)
参考までにステアリングホイールの直径を小径化することで、円周が短くなるぶん小さな操作量(小さな手の動き)でタイヤの向きがよりクイックに切れるようになるのだ。その代わり、ステアリング操作は少々重くなる。
同じ理屈で、ステアリングギヤ比を小さくするとパワーステアリングの負担も大きくなるので、メーカーサイドでステアリングギヤ比を小さく設定するときは、ステアリングギヤボックスのシリンダーサイズを拡大したり、パワーステアリングポンプ容量も増やすなどの対策も一緒に施している。
モータースポーツ、とくにドリフトやジムカーナなど、フルカウンターを多用する種目では、このロックトゥロックをどれだけ素早く行えるかも重要な要素。駐車場などで、停止状態でロックトゥロックの練習をしたという選手も非常に多い(いわゆる「すえ切り」なので、タイヤやクルマへの負担はそれなりにある……)。
ちなみにF1マシンのロックトゥロックは半回転以下! ステアリングを持ち替えることなく、フルカウンターを当てることができるが、あの速度域で的確にカウンターを当てることができるドライバーは一握りしかいないだろう……。
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