ヨーロッパでは今でもファンサイトなどが稼働するほどの人気
マツダの小型乗用車として長らく屋台骨を支えてきたファミリア。1963年の初代登場から現在まで続く歴史ある車名であり(現在はバンのみだが)、多くのバリエーションを生み出してきた。しかし基本的には真面目でベーシックなクルマであったファミリアなのだが、そのなかでも異質な車種があったのを覚えているだろうか? そう、それがファミリアアスティナだ。
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1989年に登場した7代目ファミリアのラインアップは先代にもあった4ドアセダン、3ドアハッチバック、5ドアハッチバックと不変ではあったが、5ドアハッチバックには「アスティナ」のサブネームが付けられ、ほかのファミリアシリーズとは明らかに異なる意匠が与えられていた。それはリトラクタブルヘッドライトと、緩やかに傾斜したリヤゲート。5ドアといえば実用車、という概念を打ち破るべく「5ドアクーペ」というコンセプトで作られていたのだった。
また、インテリアについてもほかのファミリアシリーズとは異なるインストゥルメントパネルを採用するこだわりぶり。発売当時のマツダの力の入れようがヒシヒシと伝わってくるようだ。ちなみにアスティナは7代目ファミリア登場から2カ月遅れのデビューとなっていた。
一方のユーノス100は、当時マツダが展開していたユーノスブランド用にファミリアアスティナをベースに若干手直しをした兄弟車。一応アスティナよりは上級車種という位置づけになっており、当初アスティナには設定のなかった1800ccエンジン(のちにアスティナにも追加)や本革シートが用意されていた。
しかし、ファミリアを選ぶような保守的なユーザーにアグレッシブなデザインのアスティナは受け入れられることはなく、日本国内での販売は低調な結果に……。結局、ファミリアシリーズの5ドアハッチバックはアスティナが最後となり、8代目からの5ドアはワゴンタイプになってしまった。
しかし、このアスティナ、ヨーロッパでは大変評価が高く、今でも多くのオーナーズクラブやファンサイトが稼働している状況なのだ。もし、アスティナの情報に飢えている方がいるのであれば、海外のウェブサイトをチェックすることをオススメしたい。なお、海外での販売名は「マツダ・323F」となる。
さらに余談となるが、1993年に登場したマツダ・ランティスの輸出名も323F(もしくは323アスティナ)であり、れっきとした後継車種という扱いになっているのである。
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