アウディは11月に開催した定例イベント「Audi TechDay」で、工場の改新により製品を進化させる新しいアプローチ「Smart Factory」のコンセプトを発表した。クルマづくりの“常識”を覆す可能性のあるユニークな取り組みなので紹介しよう。
Smart Factoryとは、生産工程の効率化やハイテク化、IT化を進め、顧客それぞれの要望に応えられる製品を提供できる次世代工場。ビッグデータを処理できる頭脳と、それを実際の組み立てに生かせるロボットを備え、高度なモノづくりを実現する。このSmart Factoryのユニークな特徴は、パーソナリゼーション化の対応範囲が広がることで、ユーザーメリットも拡大すること。
従来の生産ラインは、同一のものを短時間で大量に作れることがメリットだったが、Smart Factoryでは工場生産でありながら、柔軟なカスタマイズが可能になる。これが実現すれば、将来的にアウディの新車カタログのオプション項目に、ボディ剛性を向上させるといった構造そのものをカスタムするような選択肢が加わるかもしれない。
アウディの生産・ロジスティクス担当役員のDr.-Ing. Hubert Waltl氏は、次のように述べている。
「Smart Factoryでは、工場のロボットは人工知能を備えます。従業員が指示した内容を日々学習し、より高度なモノづくりが可能になります。ロボットがよりきめ細かな作業ができるようになり、顧客ひとりひとりの要望にあった製品が提供できるようになるのです」。
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