45歳以降は踏み間違いが増加するという資料もある
このところ、高齢者の運転ミスによる重大事故の報道が続いている。注目が集まるとバイアスがかかる傾向にあるため、報道件数=発生率というわけではないが、運転免許をもつ高齢者が増えていることで、今後も発生件数は増えていくトレンドにある。
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なかでもアクセルペダルとブレーキペダル(ABペダル)の踏み間違い事故が目立つ印象を受けるだろう。しかし、意識して踏み間違えることはないわけで、無意識の行為であったり、ミスをした焦りから踏み間違えたりしていると考えるのが妥当だ。事故原因としてドライバーが「ABペダルを踏み間違えた」というのは結果論であり、踏み間違える原因があるはずだ。
その理由として、指摘されるのはABペダルの操作はいずれも主に右足で踏みつけるという同じ(厳密には異なるが)動作であることから間違いに気付きづらいということ。とくに焦ってしまったときに、人間は足を踏ん張ってしまう傾向にあり、間違えて踏んだアクセルペダルを、さらに全開にしてしまうという悪循環が事故被害を大きくしてしまうと考えられる。
そして、ABペダルの踏み間違いは高齢者に限った話ではない。ちょっと古い資料になるがイタルダ(財団法人 交通事故総合分析センター)が2010年に発表したリポートによると、ペダルの踏み間違いに起因する事故の年齢別発生率は、運転免許を取得して間もないドライバーが多いと思われる24歳以下では若干多く、そこから44歳程度までは減少していくが、45歳以降は増え続け、55~64歳で24歳以下と同程度の発生率となり、75歳以上では若年層の3倍近い発生率となっている。
つまり、ある程度若いうちからペダル踏み間違いをしないような習慣を身につけておくことは中年以降の事故防止にも役立つというわけだ。
ブレーキオーバーライド装備車なら左足ブレーキも効果的か
もちろんプリクラッシュセーフティシステムの技術的な進化も期待できるが、ドライバーがやれることとしては、停車時にATであればPレンジやNレンジに入れるクセをつける、パーキングブレーキを積極的に活用するといった基本的なことになるだろう。
また、後退時などにドアを開けたり、窓から顔を出したりして後ろを確認する人もいるが、そうした体をひねる行為は加齢と共にペダルの踏み間違いにつながりやすい。こちらもハードウェア次第の部分だが、バックモニターやクルマを上から見下ろすようなモニターシステムも活用するようにして、運転姿勢を大きく動かさないような工夫も必要だ。
乗降時にアクセルペダルを踏んでしまうこともあるので、乗る前にエンジンをかけるクセがあるドライバーは、かならず座ってからエンジンを始動するようにもしたい。また、ATだけしか運転しないというのであれば、左足ブレーキを習慣にしてしまえばいい、という指摘もあるだろう。
このレベルの運転技術になるとドライバーそれぞれのスキルが異なるので強制するのは難しいだろうが、MTを運転できるスキルを持っているということは左足で微妙なクラッチ操作ができるというわけで、意外に左足は器用なのかもしれない。なお、最近のクルマであればブレーキオーバーライドシステムといってABペダルを同時に踏むとブレーキペダルが優先される機能が備わっているので、両ペダルに足を置いて踏ん張れば、自然とブレーキが効くようにはなっている。
ちなみに、MTにすることで重大事故が減るという指摘はいささか疑問だ。ATの特性上起きやすい事故についてはMTを増やすことで減るのは間違いないだろう。しかし、MTの運転免許の取得に時間がかかるということは、それだけスキルが必要とされているわけで、MTと加齢などによる運転スキルの衰えという組み合わせだから起きてしまう別の事故を誘発する可能性まで考慮すべきだと考えられる。
(文:山本晋也)
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