とくにウエット路面は細心の注意を払いたい
降雪地において、すでにスタッドレスタイヤに交換する時期となっている。朝晩の冷え込みも厳しくなり、路面温度が4度以下になっているようであれば凍結の可能性もあるので、そうした対策をするのは当然だ。
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ただし、スタッドレスタイヤというのはあくまでも積雪路、凍結路において有効な構造や素材、パターンをもっているタイヤであり、舗装路での性能はサマータイヤに対して劣っているのは当たり前の話だ。
つまり、降雪を予想して交換したばかりのタイミングというのは、ドライバーの感覚としてもサマータイヤとのギャップが大きい。とくに舗装の雨天(ウエット路面)というのはサマータイヤとスタッドレスタイヤの差が出やすい環境であり、横断歩道のペイントやマンホールの蓋などでは滑りやすい傾向になるので、注意が必要だ。これはスタッドレスタイヤのパターンが排水性において不利な傾向にあるからだ。
さらにスタッドレスタイヤは、サマータイヤと比べるとゴムが柔らかい傾向にあるので、ドライ舗装路でサマータイヤの感覚でパワーをかけた走りなどすると摩耗が進みやすい。せっかく雪道に向けて履き替えたのに、本番前に傷めてしまうのはもったいない。また、日本の法定速度では問題ないが、高速走行もスタッドレスタイヤは苦手な傾向にある。
具体的に、多くのスタッドレスタイヤではサイズ表記の最後に書かれたアルファベットが「Q」となっているが、このアルファベットは速度記号といってタイヤが規定の条件において走行可能な最高速を示しているもの。ちなみに、「Q」の最高速度は160km/h、サマータイヤで多く見かける「H」は210km/h、「V」は240km/hである。
というわけで、よほど荒っぽい運転をしない限りは、スタッドレスタイヤで舗装路を走るのに問題が起きることなどはないが、舗装路における緊急回避性能などは劣る傾向にある。履き替えた直後にはそれまでの感覚と異なることもあるので、タイヤを変えたことを意識して、運転するようにしたい。
(文:山本晋也)
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