トヨタ自動車は、かねてより幅広いモビリティに応用可能な燃料電池技術を「ゼロ・エミッション」実現に向けた本命と位置付けて研究開発を進めてきた。その一環として、米国・カリフォルニア州において、これまで培ってきた技術を応用して大型トラック(セミトレーラー・トラック)へ燃料電池を搭載するフィージビリティ・スタディ(技術・事業化調査)を進めていく。
【編集部のひと言】
FCVとEVの違いのひとつとして、現在の技術では大きいものや重い物を動かすためには、消費する電力が大きいためEVでは苦手な分野となるが、FCVでは電力供給を自己解決できるため、進出できる分野になる。
トヨタは、走行中にCO2を一切排出しない「ゼロ・エミッション車」として、燃料電池自動車の「ミライ」を国内外で提供しているが、乗用車に加えて、大型トラックへ燃料電池技術を応用することで、将来的には「貨物輸送におけるゼロ・エミッション」実現に貢献することを視野に入れ、本調査を行なっていく。
トヨタグループは、市販車の「ミライ」に加えて、FCバス、燃料電池フォークリフト、家庭用の定置式燃料電池など、燃料電池の幅広い応用も含めて技術開発・商品展開を推進している。さらに2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のFCバスの導入を予定しており、2017年初めにはFCバスを日本で初めて販売する予定だ。国内外において、グループ一体となって、“水素社会の実現”に向けて歩を進めるトヨタ。今後の動向にも注目したい。
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