ハイドロプレーニング現象はタイヤの溝と速度が大きく関係!
梅雨、そして夏から秋にかけての台風シーズンは、急な豪雨に見舞われることも多い。そんなとき溝の少なく(浅く)なったタイヤで濡れた路面の上を高速走行していると、「ハイドロプレーニング現象」が発生する心配がある。
ガソリンスタンドで聞かれる「水抜き剤入れますか」って本当に必要?
ハイドロプレーニング現象とは、アクアプレーニング(水上飛行機)現象とも言われ、路面とタイヤの間に水膜ができ、タイヤが一時的に接地していない状況のことを指す。
タイヤが接地していないということは、アクセルもブレーキもステアリングも、何を操作しても一切コントロールは不能になる。こうなったら最後、F1のワールドチャンピオン、ハミルトンでもベッテルでもやれることは「神に祈るだけ」(プロはハイドロの前兆を見逃さないので、そこで手を打つ)。
ハイドロプレーニング現象の発生する限界速度は、水深、タイヤの残り溝、そして空気圧で大きく変わってくる。一般的な新品のタイヤなら、溝の深さは約7ミリあるので、道路に溜まった水の深さが7ミリ以下なら、100km/hぐらいまでは、ハイドロプレーニング現象が起きる心配はほとんどない。
一方、残り溝が五部山=3.5ミリぐらいのタイヤは、80km/hでも水膜がタイヤと路面の間に入り込み、接地面積は5割ぐらいに減ってしまう(水深6ミリぐらいのとき)。
スリップサインが出てくる、残り溝1.6ミリのタイヤになると、同条件(水深6ミリ80km/h)で、ほぼ完全にタイヤが水膜により浮き上がることがわかっている。
というわけで、この恐ろしいハイドロプレーニング現象を防ぐには、しっかりと溝の残っているタイヤを履き、水深の浅いラインを選び、速度を控えめにすることが肝心。
NASAの研究で空気圧を高めるとハイドロを起こしにくいことが判明
とはいえ、いつも新品タイヤを履けるわけではないし、新品タイヤの溝よりも水深が深い道もある。そういう時はどうすればいいかというと、空気圧を高めること!
NASA(アメリカ航空宇宙局)では、ロケット開発の過程で、水深がタイヤの溝よりも深いときに、ハイドロプレーニングの発生する限界速度を計算し、次のような方程式を導き出している。
それがこの「V=63√P」という式。「V」は、ハイドロプレーニングの発生速度(km/h)で、「P」は空気圧。例えば、空気圧が2.0kg/立方センチメートルだとすると、Vは89.0km/hなので、水深がタイヤの残り溝より深ければ、90km/hではハイドロプレーニング現象を起こすということ。
同じく、空気圧が2.5kg/立方センチメートルなら、ハイプレ発生限界速度は、99.6km/hになり、3.0kg/立方センチメートルなら、109.1km/hという計算になる。
いずれにせよ、五部山タイヤの残り溝より水深が深いような場面(水深3.5ミリ)で、高速走行をするのはそもそも問題だが、ゲリラ豪雨などが近づいてきているときは、とりあえず臨時措置として、空気圧を高く設定するのは有効な手立て。
F1でもピレリが最低空気圧を引き上げ、いろいろ話題になっているが、ハイドロプレーニングをはじめ、タイヤにとっては、いろいろと空気圧は低いより高い方が都合がいいということも、覚えておくといいだろう。
(文:藤田竜太)
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