2014年4月
■2014年4月
BMWはミニブランドのハッチバック車を7年振りにフルモデルチェンジし、2014年4月12日に発売した。BMW傘下に入ってから3代目となる新型ミニは、ミニ本来のコンセプトを継承しつつ、内外装やパワートレーンを一新し、最新の安全装備や快適装備を備えたモデルに仕上げられている。
2代目ミニではハッチバックからクラブバンに至るまで、8種類のバリエーションで構成されていたが、ほかのタイプも順次3世代目に切り替わっていくものと見られる。
新型ミニのフロントデザインは、ミニのアイコンである、丸型ヘッドライトや六角形グリル、クロームパーツなどを継承しつつ、現代的な洗練を加えたものになったいる。ひと目でミニと分かるデザインであるのは従来と変わらない。
インテリアも円形にデザインされたメーターパネルも独特の操作性を実現するトグルスイッチなど、ミニの伝統が継承されるとともに、品質感を高めた現代的な仕上げがなされている。特に注目されるのは中央に大型ディスプレーが装備されたことで、ナビを装着する場合には8.8インチの液晶画面に表示される。
搭載エンジンは新開発のダウンサイジング直噴ターボ仕様が2機種で、いずれも可変制御システムに直噴ターボを組み合わせたBMWのツインパワーターボ技術を採用する。
搭載エンジンに応じてグレードが変わり、直列3気筒1.5リッターがクーパー、直噴4気筒2.0リッターがクーパーSという2グレードの構成で発売される。いずれも動力性能と燃費を向上させた最新のエンジンで、6速MTと6速ATの選択が可能となる。
装備の充実化は目をみはるものがあり、快適装備では前述のカーナビがクーパーSに標準で、クーパーにオプション設定されているのが注目点。これまでのミニでは純正ナビが対応できなかっただけに大きなニュースだ。これにはブルートゥースのハンズフリー・システムも組み合わされる。
安全装備も大幅な進化を遂げ、前車接近警告機能、衝突被害軽減ブレーキが全車に標準となる。運転支援装備としては、アクティブ・クルーズコントロール、ヘッドアップディスプレー、パーキングアシスト、リアビュー力メラなどが装備されている
またミニドライビングモードとして、アクセルレスポンスを始めとする各種のセッティングをドライバーの好みに応じて選択できる機能も加わった。燃費重視のグリーンモードとエキサイティングな走りを重視したスポーツモードが設定でき、グリーンモードでは、巡航時にエンジンとトランスミッションを切り離し、燃料消費を低減するコースティング機能を採用(AT車)している。
■2014年7月
BMWは2014年4月にデビューしたばかりの3代目ミニに、エントリーモデルとなるミニONEを追加し、2014年7月1日に発売した。
今回ラインアップされたONEは、MINIのベースラインを受け持つエントリーモデルに位置づけられる。搭載エンジンはモジュール化されたクーパーやクーパーS用のエンジンと違って、専用に開発された直列3気筒1.2リッターのターボ仕様で、6速MTまたは6速ATが組み合わされる。このパワートレーンは高効率の設計が施され、またエアロダイナミクスの最適化などと合わせて、マニュアル車で20.2km/Lの燃費を達成している。
装備面では、視認性および操作性の高いナビゲーション・システムをオプション設定したほか、USBオーディオ・インターフェースなどの快適装備やフルホイールカバー付きの15インチホイール、サーボトロニックなどを標準装備する。
安全装備については、前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、アクティブ・クルーズ・コントロール、ヘッドアップ・ディスプレイなどの先進装備をオプション設定している。
■2014年10月
BMWはミニの基幹モデルであるハッチバックに3月に発売された3ドアに続いて新たに5ドアを設定し、2014年10月2日に発売した。
ミニ5ドアは3ドアと同様、一目でミニと分かるデザインアイコンの丸型ヘッドライト、六角形グリル、クロームパーツを継承すると同時に現代的なデザインで仕上げられた。
ボディサイズはミニ3ドアに比べて全長が165mm、全高を15mm拡大し、、ホイールベースを70mm延長することで、より高い居住性を確保した。
延長されたホイールベースに合わせ、リヤオーバーハングを延長するとともに、傾斜を強めたテールゲートを採用し、バンパーの形状を変更するなどして、ミニらしいスポーティさと軽快感を演出してた最適なプロポーションを実現した。
ホイールベースの延長は後席居住性の向上につながり、ミニ5ドアは3ドアに比べて後席レッグスペースが40mm拡大し、大人5名が余裕を持って乗車できるスペースを確保している。トランク容量も3ドアに比べ67L拡大して278Lになった。
インテリアデザインもミニらしさが継承され、円形のエレメントなどミニのアイコンを採用している。ドアトリムの楕円形デザインエレメントは、前後席の一体感を持たせたものとされた。クーパーSに標準装備のナビゲーションシステムには、8.8インチの大型のセンターディスプレイを採用し、ディスプレイの周囲にはLEDがリング状に配置され、ナビの経路案内やパークディスタンスコントロールによる周囲の障害物の状況などに応じて色が変化する。
搭載エンジンはBMWグループの新世代直噴ターボ仕様で、可変バルブ制御システムを直噴ターボに組み合わせてることで、スムーズで力強い走りと、低燃費を実現している。
クーパーには最高出力136ps(100kw)、最大トルク220N・mを発生し、燃料消費率17.9km/Lの直列3気筒1.5リッターが、またクーパーSには最高出力192ps(141kw)、最大トルク280N・mを発生し、燃料消費率16.4km/Lの直列4気筒2.0リッターが搭載される。
足回りは3ドアと同様、このクラスでは例の少ないマルチリンク式サスペンションをリアに採用することで、ミニの走りの特徴であるゴーカート・フィーリングを堪能できる。
グレードはクーパーとクーパーSの2グレードで、トランスミッションは6速ATのみの設定で、駆動方式もFFのみの設定となる。
■2014年12月
BMWは2014年10月に発売したミニ5ドアに、エントリー・モデルとなるミニワン5ドアを追加して2014年12月18日に発売した。
ミニは2014年3月に3ドアがフルモデルチェンジし、それをベースにしたボディとホイールベースを延長したミニ初の5ドアハッチバック車が10月に追加されていた。ミニ5ドアは当初、クーパーとクーパーSだけの設定だったため、今回新たにエントリー・モデルのミニワンが追加されることになった。
ラインアップに加わったワンは、直列3気筒1.2リッターのツインパワー・ターボエンジンを搭載し、75kW(102ps)/180N・mのパワー&トルクを発生する。組み合わされるトランスミッションは電子制御6速ATのみでMT車の設定はない。
装備は8個のSRSエアバッグ、発進アシスト付きのDSC(横滑り防止装置)、4輪ディスク・ブレーキなどの安全装備に加え、ヒーテッド・ドアミラー、USBオーディオ・インターフェースなどの快適装備も標準で採用している。
さらに操作性に優れたナビゲーション・システム、衝突回避・被害軽減ブレーキ、アクティブ・クルーズ・コントロール、ヘッドアップ・ディスプレイなど、数々の先進装備もオプションで用意している。
■2015年3月
BMWはミニの基幹モデルである3ドアハッチバックをベースにハイパフォーマンスモデルのジョン・クーパー・ワークスを追加設定し、2015年3月16日(MT車は2015年4月後半)から注文の受付を開始した。
外観デザインは専用デザインのエアロキットを標準装備して精悍さを表現したほか、新開発のブレンボ製ブレーキキャリパーは赤く塗装されてJCWのロゴが刻印されている。アロイホイールは専用デザインの17インチが装着されている。
ミニ3ドアに追加されるジョン・クーパー・ワークスは、レーシングスピリットを引き継いだ走りを特徴とする高性能エンジン搭載車で、これまでのミニでもさまざまなボディタイプに設定されてきた。搭載エンジンにバルブトロニックや高精度直噴、ツインパワー・ターボ・テクノロジーなどの技術を盛り込み、動力性能をミニ史上最強のものとしている。
新開発の直列4気筒2.0リッターエンジンは、170kW(231ps)/5200~6000rpmの最高出力を発生し、320N・m/1250~4800rpmの最大トルクを発生する。最大トルクはオーバーブースト時には350N・mに達する。トランスミッションは6速MTと6速ATの設定があり、ATは新設計によって燃費を約25%向上(新欧州サイクル)させている。同時に0-100km/hの加速は従来モデルより0.6秒も短縮して6.1秒を達成したという。
カーブ走行をサポートするエレクトロニック・ディファレンシャル・ロック・コントロール(EDLC)、パフォーマンス・コントロールを備えたダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)などの最新の電子制御技術が標準装備されている。