完成度高いジャガー初のSUV、F-PACE。ガソリンモデル推しの理由とは?
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
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SUVは全高が高く必然的に重心が高まり、車両重量もかさむので、その走りは体にフィットしない服を来て運動をするような感覚を抱くのが通例だ。しかしF-PACEの走りには、フィットする服のような爽快感と心地よさがあった。
「ジャガー初のSUVでこの完成度は素晴らしい」との声も聞こえてくるが、それもそのはず。ジャガーは今、姉妹ブランドに4輪駆動の王様的存在のランドローバーを持つ。同社によってタフさや快適さやスポーツ性など現代のSUVに求められる要素はとことん鍛え上げられており、そのノウハウを存分に使えるわけだ。
例えばスポーツ性で言えば、ランドローバーには「レンジローバースポーツSVR」がある。F-PACEを少し大きくしたサイズ設定ながらも、ワインディングどころかサーキットまで攻められるモデル。当然の4輪駆動で、550ps・680Nmを発揮する5L V8エンジンまで手なずける。そんな背景がF-PACEの完成度を高めているのだ。
感心させられたのがF-PACE専用に立ち上げた新規シャーシと新規4輪駆動システム。ジャガーが10年以上鍛え上げてきたボディ部へのアルミニウム使用技術を駆使して、今回は80%がアルミニウムで2%が超軽量なマグネシウム、残りは各種スチールといった具合に、適材を適所に使う軽量かつ高剛性のハイブリッドボディ構造を採用している。
その効果だろう、体にフィットするような操作性、車体の動きの良さが発揮されている。またエンジンなどの重量級動力関連パーツの搭載位置などにもこだわり、前後重量配分50:50というスポーツカー並みのバランスで仕上げた効果もあって、荒れた路面での旋回中も四輪が前後連結同調しているような動きを示し、腰高感や不安感を伴う4つの足まわりがバラバラに動くSUV的な動きが皆無なのも好印象だ。
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