新型レジェンドに試乗、曲がって曲がって曲がりまくる!
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:市 健治
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:市 健治
はっきり言えば、レジェンドは日本では迷走してきた。ホンダがつくる富裕層向けのサルーンとして、そのカテゴリーで昔から強いメルセデスやトヨタ・クラウンあたりとは異なるテイストにしなければならないということを、開発陣が考え過ぎたり、考えなさ過ぎたりしてきたのではないかと思う。
ホンダは一貫して先進的なテクノロジーをレジェンドに投入してきたが、富裕層は保守層であることが多いため、そうした先進性はあまり響かず、やっぱりというか単にというか、昔から強いブランドが強い。
もうひとつ、ホンダは一部のスポーツカーなどを除いて長らくFWDを採用し続けるメーカーだ。このことはコンパクトカーやミドルクラスのセダンではスペース効率の面で有利に働いた。また、スポーティーなモデルにあっては、FWDのままでRWDのスポーツカーを追いかけ回せる実力をもっていたため、そのことも“ホンダらしさ”としてプラスに作用した。
が、ラグジュアリーサルーンにおいては昔も今もRWDが盲目的に重宝される。レジェンドはそこに果敢にチャレンジしてきたが、RWDの牙城を崩すには至っていない。
そうした経緯を経て登場した5代目レジェンドは、いったいどういう戦い方をしたかというと、やはり自らがもてるテクノロジーを惜しみなく投入することで保守層を振り向かせようとした。乗って思った。栃木のギーク(技術オタク)が暴走したかのようなテクノロジーの塊。ラグジュアリーサルーンをこんなに曲げてどうするんだ! いいぞ、ホンダ! この戦い方しかないし、この戦い方を貫く姿勢がレジェンドの伝統となり、やがて一層のブランド化を果たすはずだ。V8、RWDならほかを買う。
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